2010年12月20日月曜日

モーションワークフロー

今回は自分が使っているモーション制作のワークフローを紹介してみようと思います。
先人から教えていただいたものをアレンジしていたりと自己流ですが、自分で再度ワークフローとそれにまつわる問題点を再確認してみるつもりで書いていきます。


1.キーポーズ作成
5Fもしくは10F毎に、そのモーションになくてはならない特徴的なポーズをキーポーズとして付けます。
例えば走りなら走りになくてはならないポーズを付けていきます。
キーポーズの見分け方は、基本的に「動きがゆっくりになるところ」「動きが止まるところ」「地面などへのコンタクトポイント」という見方で行っています。
おおざっぱに言ってツメるところと接触する部分はキーポーズという考えですね。

この時に確認として中割りが必要な場合は簡単に割っておきます。
例えば大振りなキックの場合、蹴り始めから蹴り終わりの中間点が無いと後述する動きの確認がし辛いことが(個人的に)あるためです。


2.タイミング作成+キーポーズ修正
5F毎や10F毎に置かれたキーポーズをがしがしフレーム移動させてタイミングを図っていきます。
タイミングはイメージに近い状態や気持ちのいいタイミング、資料に近いタイミングなどに修正します。
全身にキーを打ってドープシートなどでサクサク作業すると効率がいいです。

ある程度タイミングが整ったら、その状態で何度も再生しながらキーポーズを修正していきます。
動きの確認(キーポーズとタイミングの確認)です。
修正を繰り返し、「これ以上の確認はキーを割らないと無理!」となったら次のステップへ進みます。


3.中割り
先に作ってあるキーポーズを元に、次に重要なキーポーズで中を割っていきます。
例えばアーク運動に必要なキーポーズや、先行動作やフォロースルーに必要なキーポーズなど、
モーションのディティールを詰めていきます。
最初につけたキーポーズでは補えきれないポーズを付ける感じです。

この際も、何度も再生し動きの確認をします。
「これ以上割らないと・・・」となったら更に割ってもOKです。


4.最終調整
これまでに付けた最初のキーポーズや中割りのキーポーズのポーズ確認&修正、
タイミングの調整を行います。
最後の詰めの工程ですね。



以上で1モーションの完成です。



振り返ってみて感じましたが、このワークフロー自体はちゃんと出来てる感じがしますが、
自分の場合キーポーズが格好悪かったり、タイミングがとれてなかったり、最初の段階で良くないまま次へ進んで最終的に成果物がたいしたものでなくなる傾向が最近見られると感じます。
それだとせっかくのワークフローが台無しなので、基礎力を磨きながら「1」の段階での確認をしっかり行おうと反省しました。

中割りの部分での迷いもあるので、アニメーションの基礎理論をしっかり叩き込んでおかないと駄目ですね。精進します。

2010年11月14日日曜日

デモリール


デモリールを上げておきます。
内容はこのブログにある動画+2。
これを再生するとひと通り全部見ることが出来ます。

ちなみに選曲はギャグです。

相撲


相撲を表現したモーションです。

これもスケボーに続き、ある程度成功した作品だと自負しています。
動きの仕組みに多少難はあるものの、連続性についてはだいたいクリアしているかと思います。

初の二体接触モーションだったので、苦労する部分も多かったです。

押し込んだ時の重量感・重さ等、課題も多いですね。

スケートボード


スケートボードを表現したモーションです。

これについてはある程度上手く行ったと自負しています。

動きの連続性にあまり問題も見られず、動きの仕組みもある程度理にかなっています。
尚且つ、人からよく評価される作品です。

実は相撲の方が大変だったのですが、その話をすると意外な顔をされることがよくあります。

ちなみにスケボーは借りて乗ってみました。ロングボードでしたが。

酔拳




ジャッキー・チェンの酔拳を表現したモーションです。

動きの連続性に問題が・・・。
「コマ撮りアニメみたい」と評されました。

恐らくキーフレーム配分やポージングに問題があるのだと思います。
動きの仕組み的にもおかしな部分が多いですし。

キーフレーム整理だけでもやっておきたいモーションですね。

パルクール


映画ヤマカシなどで使用されているパルクールという動きの芸術を表現したモーションです。

これは重力表現に問題があります。
全体的にふわふわしているのですよね。

動きの連続性も今一歩・・・。

時間ができたら一番修正してやりたいモーションです。

ちなみにパルクール自体はすごく好きになって、自分でやってみたくなりました。
youtubeでいろいろ動画が見れます。興味のある方は探してみてください。

走り高跳び


走り高跳びを表現したモーションです。
これ以降の作品は全て、「動きの連続性」と「動きの仕組み」との戦いでした。

参考動画をデッサンするかのごとく構造解析し、Maya上に落とし込みます。
尚且つ、動きの連続性(なめらかさ)が欠如しないよう各キーフレームやポージングを整理していきました。

跳んだ後の放物線に問題がありますね。

カートゥーンアニメ


カートゥーンアニメに挑戦したモーションです。
しかしあまりカートゥーンしていないという問題が・・・。

これを制作して発見できたのが、いわゆるカートゥーンアニメの動きというのは自分の好みでないということです。
自分の好きな動きは恐らく、ライブアクション寄りのリミテッドアニメだと思います。

リアルな動きを整理・誇張して魅力的に見せるモーションですね。

そういった点では、このモーションはその方向で作っていった方が良かったと反省しています。

象の歩行→吠えるまでを表現したモーションです。

これの制作方法は車ドリフト走行と同じです。
象の動画・生態・象の魅力などの資料を集め、構造解析してモーションを付けていきました。

これを書いていて思い出したのですが、車や象は作る際に「その対象物を好きになる」という工程を踏んでいましたね。
これは最近の自分が忘れてしまっていることです。

好きになると、モーション作業がぐっと楽しくなってクオリティも上がっていた気がします。

意外と重要な要素かもしれませんね。

バッティング


バッティングを表現したモーションです。モデルはイチロー。
イチローがホームランを打った時の動画を参考にしています。

これを作った段階で一番注意したのは動きの連続性(なめらかさ)。
これ以降、ずっと自分につきまとっていた問題です。

あるポーズ(動き)から次の動きへとなめらかに断続せず連続して繋がっているようにモーションは作らねばなりません。

このバッティングはまだまだ詰め要素がありますね。

車ドリフト走行


車のドリフト走行を表現したアニメーションです。
制作にあたり、ドリフト走行の動画や車のサスペンションの仕組みなど、車の挙動を再現する上で必要な資料を集め、それを構造解析しモーションに落し込みました。

自分は免許を持っていないので、実体験から来るリアリティは皆無になってしまっています。
カメラワークも弱いですね。

ブログ開始

初めましての方は初めまして。memomaと申します。
都内で3DCGデザイナーやってます。
まだまだ駆け出し中の駆け出しですが。

以前のサイトがちっとも機能してなかったので、新しくブログを作りました。
今後はこちらで活動していこうと思います。

内容はモーション動画の掲載やモーション考察などです。

よろしくお願いします。